ノートパソコン市場では、これまでIntelやAMDが主流でしたが、新たにSnapdragon搭載モデルが注目を集めています。特に省電力性能や軽量性を重視するユーザーから支持を得ています。
この記事では、Snapdragon搭載ノートパソコンの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説し、どのような人におすすめなのか、購入を検討する際のポイントを紹介します。
- 1 Snapdragon搭載AIノートパソコンとは?特徴を簡単に解説
- 2 Snapdragon vs Intel・AMD:違いを徹底比較
- 3 Snapdragon搭載ノートパソコンのメリット
- 4 Snapdragon搭載ノートパソコンのデメリット
- 5 SnapdragonはAIでよく使われるNPUを搭載している
- 6 消費電力とバッテリー性能:Snapdragonの強み
- 7 おすすめのSnapdragon搭載ノートパソコン
- 7.1 Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9:コストパフォーマンスがいいSnapdragon搭載ノートパソコン
- 7.2 Microsoft Surface Laptop (第7世代):安心のMicrosoftで、Officeソフトあり ビジネスマンにおすすめ
- 7.3 ASUS ProArt PZ13 HT5306QA:タブレットのように使用もできるマルチデザイン
- 7.4 acer Swift Go 14 AI:一回り大きい画面ながら軽量で低価格なAIノートパソコン
- 7.5 Lenovo ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragon:カスタマイズ可能モデルで、英語配列を選べる
- 8 Snapdragon搭載AIノートパソコンはどんな人におすすめ?
- 9 まとめ:Snapdragon搭載AIノートパソコンを選ぶべきか?
Snapdragon搭載AIノートパソコンとは?特徴を簡単に解説
Snapdragonは、主にスマートフォン向けのプロセッサを開発してきたQualcomm社によるチップセットです。スマートフォン向けに作られていたCPUをノートパソコンで効率よくカスタムされています。
このSnapdragonがノートパソコン用にカスタムされることで、次のような特徴を実現しています。
- ARMアーキテクチャ:省電力設計が可能で、バッテリーの持続時間が長い。
- ファンレス設計:発熱が少なく、静音性に優れる。
- AI処理の効率化:画像認識や音声処理、リアルタイム翻訳などのAIタスクを高速かつ効率的に処理可能。
これらの特徴は、軽作業や外出時の作業を重視する方にとって非常に魅力的です。それでは、従来のIntelやAMD搭載モデルと比較して、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
Snapdragon vs Intel・AMD:違いを徹底比較
Snapdragonを搭載したノートパソコンの特徴をIntelやAMDのプロセッサと、比較して見ていきます。
良い点:Snapdragonの強み
省電力性能
SnapdragonはARMアーキテクチャを採用しており、IntelやAMDのアーキテクチャと比較して消費電力が圧倒的に低いです。そのため、バッテリー駆動時間が長く、外出先での使用に適しています。
静音性と軽量化
ファンレス設計が可能なため、発熱を抑えながら軽量でスリムなデザインを実現しています。
また、ファンレスのメリットはファンの音がしないということです。静かな場所でも周りを気にせず作業を進めることができます。
一部ファンが搭載されているモデルもありますが、Snapdragonは発熱が元から少ないCPUなため、Intelなどと比べ静かで、ファンが回っているかわからない事が多いです。
AI機能の活用
SnapdragonチップにはAIを効率良く動かせる仕組みがあり、ローカル環境でも作業を効率的に処理します。これにより、日常的なタスクだけでなく、AIを活用した特殊な作業にも役立ちます。
悪い点:Snapdragonの課題
処理能力の限界
IntelやAMDの高性能プロセッサと比較すると、Snapdragonは重い処理(動画編集や3Dグラフィックス)に弱いです。
アプリ互換性の問題
ARMアーキテクチャのため、一部のWindowsアプリケーションがうまく動作しない場合があります。ただ、互換性は年々改善されています。
搭載されているモデルがまだ少ない
Snapdragonを搭載したノートパソコンは、まだ少ないです。そのため、ノートパソコン本体がまだ高い傾向にあります。
ここまででSnapdragonの基本的な特徴がありますが、次に具体的なメリットについてさらに詳しく見ていきましょう。
Snapdragon搭載ノートパソコンのメリット
Snapdragon搭載ノートパソコンは、特にモバイル用途に特化した利点が多くあります。
長時間使用可能なバッテリー性能
Snapdragon搭載モデルは、省電力設計により1回の充電で、約10時間以上の連続使用が可能です。外出先での作業が多い人には大きな魅力です。
スリムで軽量なデザイン
ファンレス設計により、薄型で軽量なノートパソコンが実現されています。重量が軽いため持ち運びが楽で、カフェや出張先などでの使用に最適です。
AI機能による効率化
Snapdragonは内蔵されたAIの処理に強いエンジンによって、画像処理や音声認識などのAIタスクを効率的に処理できます。これにより、仕事や日常の利用がさらに快適になります。
このように、Snapdragonはモバイルワークや日常使用に適したモデルとして、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となります。しかし、デメリットも把握しておくことが重要です。
Snapdragon搭載ノートパソコンのデメリット
次にSnapdragon搭載ノートパソコンのデメリットを詳しく説明します。
高負荷作業に不向き
動画編集や最新の3Dゲームなど、処理能力を求められる作業には向いていません。軽作業やブラウジング、Office作業が主な用途になります。
アプリの互換性が限定的
一部のWindowsアプリケーションが完全には動作しない場合があります。特に特殊なソフトウェアを使用する場合は事前の確認が必要です。
限られた選択肢
Snapdragon搭載モデルは選択肢が少なく、自分のニーズに合うモデルを見つけるのが難しい場合があります。
ここで、Snapdragonが得意とする分野であるAIや消費電力とバッテリー性能について、さらに深掘りしてみましょう。
SnapdragonはAIでよく使われるNPUを搭載している
NPU(Neural Processing Unit)とは、AIなどの処理を効率的に行うための専用チップです。SnapdragonのCPUにはこのNPUが搭載されています。
AIの処理で良く使用されるのが、NPUかGPUになります。GPUでAIの処理をするとかなり負荷がかかり、消費電力も高くなる傾向があります。NPUの場合AI専用のチップなため効率良く処理でき、消費電力も控えめにできます。
IntelやAMDでもNPUを搭載したCPUが登場してきていますが、まだ高価で、手を出しにくい価格となっています。
消費電力とバッテリー性能:Snapdragonの強み
Snapdragonの低消費電力設計は、バッテリー性能を劇的に向上させます。たとえば、Snapdragon X Plusを搭載したモデルでは、1回の充電で最大28時間の駆動が可能な製品もあります。これは、IntelやAMD搭載モデルと比較しても大きなアドバンテージです。
この優れた省電力性能により、外出先での使用が多いビジネスパーソンや学生にとっては理想的な選択肢となります。一方で、処理能力の限界についても理解しておく必要があります。
おすすめのSnapdragon搭載ノートパソコン
Snapdragon搭載ノートパソコンにはさまざまなモデルがあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったモデルを選ぶことが重要です。
次に、どのような人にSnapdragon搭載ノートパソコンが適しているのかを解説します。
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9:コストパフォーマンスがいいSnapdragon搭載ノートパソコン
モデル | Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9 |
OS | Windows 11 Home 64bit |
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 (3.40 GHz ) |
メモリ | 16 GB LPDDR5X-8448MHz (オンボード) |
ストレージ | 512 GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
ディスプレイ | 14″ WUXGA液晶 (1920 x 1200) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 300 nit, 60Hz |
バッテリー | 動画再生時 約13.9時間・アイドル時 約16.7時間 |
重量 | 約1.48kg |
保証 | 1年間 引き取り修理 |
価格 | 129,800(税込) |
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9は、Snapdragon搭載ノートパソコンの中でもコストパフォーマンスがいいモデルです。
Snapdragon X Plusを搭載しており、WindowsのCopilotを効率良く活用することができます。
バッテリー性能も動画再生時で、ほぼ14時間可能なので、作業を丸一日することができます。
14インチのWUXGA液晶のため、持ち運びにちょうどいいサイズ。重量が約1.48kgと若干重めですが、リュックなどのデイパックに入れればあまり気にならないかと思います。
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9は、はじめてのSnapdragon搭載ノートパソコンにおすすめのモデルです。
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9はこちら
Microsoft Surface Laptop (第7世代):安心のMicrosoftで、Officeソフトあり ビジネスマンにおすすめ
モデル | Surface Laptop (第7世代) ツクモ |
OS | Windows11 Home |
CPU | Snapdragon X Plus |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 256GB (SSD) |
ディスプレイ | 13.8型 |
バッテリー | 最大22 時間 |
重量 | 1.34kg |
保証 | 1年間 |
Officeソフト | Office Home & Business 2024 |
価格 | 207,680円(税込) |
安心のMicrosoft Surface Laptopは、OfficeソフトのOffice Home & Business 2024が搭載されていて、お得なモデルです。
Surface Laptop (第7世代)の場合、バッテリー駆動時間が最大22時間となっており、1回の充電で作業によっては、1日から2日間 可能になります。Snapdragonの消費電力の低さなどが合わさって、この駆動時間を実現しています。
また、本体重量が1.34kgとなっていて、持ち運びが多いビジネスマンなどにピッタリ。そして、アシストしてくれるAI、Copilotを搭載しているため、忙しいビジネスマンの時間を短縮してくれます。
シンプルなデザインなため、顧客の前でも出しやすいノートパソコン。シンプルながら使えるノートパソコンを探しているならSurface Laptop (第7世代)がおすすめです。
ASUS ProArt PZ13 HT5306QA:タブレットのように使用もできるマルチデザイン
モデル | ASUS ProArt PZ13 HT5306QA |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB (PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2) |
ディスプレイ | 13.3型 OLED (有機EL) 2,880×1,800ドット, 60Hz, タッチパネル搭載 |
バッテリー | 動画再生時:約16.6時間 アイドル時:約25.2時間 |
重量 | タブレット:約850g タブレット + キーボード + スタンドカバー:約1.489kg |
保証 | 12ヶ月間のインターナショナル保証 |
価格 | 249,800円(税込) |
ASUS ProArt PZ13 HT5306QAは、キーボードを外せばタブレットとしても使用できる2in1パソコンです。
画面とキーボードなどすべて装着すると重量が約1.489kgとインチ数にしては、重め。ただ、キーボードが必要がない時には外したりできるため、いろいろなシーンでマルチに使用できます。
また、タブレットの画面は、ASUSのProArtの有機ELで、非常に綺麗な表現ができます。良くわかるのが黒の表現で、感動するでしょう。デザインや写真の現像など画面の表現力が試される場面で力を発揮するディスプレイとなっています。
ASUSは、AIにも力を入れていて、WindowsのCopilot以外にも独自のAI機能も備えており、初めてのAIパソコンとしてもおすすめの1台です。
acer Swift Go 14 AI:一回り大きい画面ながら軽量で低価格なAIノートパソコン
モデル | acer Swift Go 14 AI |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Qualcomm Snapdragon X Plus(X1P-42-100) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 14.5インチ、WUXGA(1920×1200)、16:10、IPS、非光沢、約1677万色、リフレッシュレート: 120Hz |
バッテリー | 最大約28時間 |
重量 | 約1.34kg |
保証 | 1年間センドバック保証 |
価格 | 139,800円(税込) |
acer Swift Go 14 AIは、AI機能を積極的に使用できるノートパソコンで、一回り大きい画面ながら重量が軽い事が特徴です。
Copilotの専用キー搭載はもちろん、ローカル環境でAIを使用していることがわかるインジケーターが搭載されている事。積極的に日常でAIを取り入れたいと考えている人におすすめです。
さらにノートパソコンの重量が軽いことも注目ポイントです。この価格帯で、一般的なモバイルノートパソコンと比べて一回り大きい14.5インチを搭載しておきながら重量が約1.34kgと軽いです。カフェなどで作業も考えている場合ピッタリ。
また、バッテリー駆動時間も注目ポイントで、最大28時間となっており1日を超えてしまっています。CPUをゴリゴリに使用する使い方をしていたら28時間はちょっと無理がありますが、本体重量のことを考えてもすごい!としか言いようがありません。
本体のメーカーのロゴも控えめで、シンプルなデザインが好きな人、AIやどこでもパソコン作業をしたいという人におすすめのモデルです。
Lenovo ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragon:カスタマイズ可能モデルで、英語配列を選べる
モデル | Lenovo ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragon |
OS | Windows 11 Home 64bit |
CPU | Snapdragon® X Plus X1P-42-100【Eliteにカスタム可能】 |
メモリ | 16 GB LPDDR5X-8533MHz (オンボード) |
ストレージ | 512 GB SSD M.2【カスタム可能】 |
ディスプレイ | 14″ WUXGA液晶 (1920 x 1200) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 400 nit, 60Hz, 省電力【カスタム可能】 |
バッテリー | 動画再生時:約19.3時間 アイドル時:約37.4時間 |
重量 | 約1.24kg〜 |
保証 | 1 年間 プレミアサポート |
価格 | 200,222円(税込)から |
Lenovo ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragonは、必要に応じてカスタムが可能なモデルで、日本で販売されているノートパソコンでは珍しい英語配列(US配列)にすることができます。カスタム料金は1,100円。
本体重量が約1.24kgと軽量ながらバッテリー駆動時間が最大約37.4時間と驚きのバッテリー性能を持っています。ビジネス向けのモデルながらAIを搭載したノートパソコンのため、効率良くどこでも仕事をしたいという人にピッタリです。
他にも、英語配列にカスタムが可能というところも注目です。AI搭載ノートパソコンを探していて、英語配列にこだわりがある人は間違いなくこのLenovo ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragonを候補に上げるべきです。
長時間駆動できるバッテリー性能に、軽量な本体重量、自分好みにカスタムをしたいというワガママな方に超おすすめのモデルです。
Lenovo ThinkPad T14s Gen 6 Snapdragonはこちら
他にも英語配列が選べるノートパソコンについて詳しく紹介しています。
yoshiはじめにこの記事でわかることを説明します。 英語配列(US配列)のメリットとデメリット 主要メーカーごとの英語配列が選べるノートパソコンのラインナップ 海外モデル(個人輸入)入手につい[…]
Snapdragon搭載AIノートパソコンはどんな人におすすめ?
Snapdragon搭載モデルは、以下のような人に最適です。
- AIの処理を可能な限り早くしたい
- AIの力を借りながら効率よく作業をしたい
- 外出先での作業が多いビジネスパーソン
- 長時間バッテリーを求める学生
- 軽量で持ち運びやすいノートパソコンを探している人
一方、動画編集やゲームを中心に使う人には、IntelやAMD搭載の高性能モデルがおすすめです。
まとめ:Snapdragon搭載AIノートパソコンを選ぶべきか?
Snapdragon搭載ノートパソコンは、AIの処理能力や省電力性能、軽量性などサポートや外出時の使用用途に特化した魅力を持っています。一方で、高負荷な作業には向いていないため、使用用途を明確にした上で選ぶことが重要です。