一般に販売されているノートパソコンで、メモリや、ストレージの容量が少し欲しいと思ったことはありませんか?
そんな方におすすめなのが、BTO(Build To Order) ノートパソコンです。
BTOノートパソコンとは、注文時に仕様を自由にカスタマイズできるノートパソコンのことです。
メモリやストレージ容量だけでなく、通常の市販モデルでは選べない特殊なカスタマイズ項目も用意されています。
この記事では、BTOノートPCで可能な特殊カスタムの種類と特徴をカテゴリ別に紹介。主要なBTOメーカーの一覧とそれぞれの特徴・おすすめカスタム、価格帯の目安、適した用途についてまとめています。
それでは、BTOノートパソコンで特殊なカスタマイズができる項目を紹介します。
キーボードのカスタマイズ
ノートパソコンで、トップクラスに触るであろうキーボードをBTOノートパソコンであればカスタムが可能となります。
主にカスタマイズできる内容を紹介します。
英語配列カスタム
日本で販売されている、BTOパソコンメーカーのカスタマイズで英語配列キーボードが、選択可能です。
英語配列は記号キーの配置がシンプルで、文字やコード入力がしやすく、タイピングミスの減少など多くのメリットがあります。プログラミング用途では英語配列が特に好まれます。
また、日本語配列と比べて、ホームポジションがセンターだったり、キーボードの配列がシンプルになり、見た目がかっこよくなることも英語配列の特徴です。
英語配列キーボードが選べるノートパソコンを紹介しています。
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キーボードバックライト
キーボードのバックライトもカスタマイズできます。
夜間の視認性向上だけでなく好みに合わせた演出も楽しめます。特にゲーミング用途では虹色に光るLED搭載キーボードが定番です。
5G・4G通信機能のカスタム
5G対応(WWANモジュール)のノートパソコンに5Gや4GのSIMカードやeSIMを挿入したりしてセルラー通信を利用可能にするカスタムです。
一番の特徴は、外出先でもフリーWi-Fiやモバイルルーターなしで高速データ通信ができ、どこでも作業が可能となり、便利です。
近年は5G対応モデルが増え、対応エリアも拡大しているため、4Gとの選択に迷ったら5Gモデルを選ぶことが推奨されています。
これによりモバイルネットワーク接続機能を内蔵でき、テザリング不要でいつでもインターネットに接続できます。テレワークや出張など外出先での作業が多いビジネスユーザーに適したオプションです。
WWANカスタムができるモデルを紹介した記事もチェック必須です。
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ディスプレイのカスタム
カスタムができるBTOノートパソコンは、ディスプレイのカスタマイズもすることが可能です。
2K以上の解像度・有機ELパネルのカスタム
ノートパソコンのディスプレイの解像度を2K以上できたり、有機ELパネルにカスタムできるモデルもあります。
フルHDより高精細な2K以上のディスプレイや、発色の良いOLED(有機EL)パネルをBTOカスタムで選択できます。
OLEDパネルは液晶に比べコントラストが非常に高く色再現性があるため、映像が鮮やかに映ります。写真や動画編集、映画鑑賞などでは4KクラスのOLEDパネル搭載モデルが最適です。
高解像度・有機ELディスプレイを搭載したモデルや、カスタマイズ可能なモデルなどを紹介した記事もあります。
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タッチパネルカスタム
画面をタッチ操作できるディスプレイへの変更も可能なモデルもあります。
2-in-1型やクリエイター向けモデルではペン入力対応のタッチスクリーン(タブレットモード対応)も選ぶことも可能です。
直感的な操作ができ、イラスト制作やプレゼンテーションで活躍します。
バッテリー関連のカスタム
ノートパソコンで気になるバッテリーもカスタマイズが可能なモデルもあります。
大容量バッテリーカスタム
標準より大きな容量のバッテリーパックを搭載して、駆動時間を延ばすカスタムです。
機種によってはオプションで容量アップ版バッテリーを選べます。たとえば約64Whのバッテリーで最大約28時間もの長時間駆動を実現したモバイルノートもあります。
外出先でコンセントに頼らず長時間作業したい人に適しています。
ただ、バッテリーの容量が増えることにより重量増加のデメリットはあります。
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着脱式バッテリー
最近は内蔵式が主流ですが、一部BTOノートパソコンでは自分で簡単に交換可能な着脱式バッテリーモデルがあります。
はじめは、コストがかかりますが、そこそこハイスペックを選択することにより、バッテリーがへたっても交換することで、長期間同じノートパソコンを使用することができるメリットがあります。
ストレージ・メモリの拡張カスタム
BTOノートパソコンでは、メモリやストレージのカスタマイズも可能です。
メモリ・ストレージ
カスタマイズができるノートパソコンでは、メモリやストレージの容量を増やすことができます。
たとえば、標準ではメモリが8GBであれば16GBにカスタムすることができます。
大量のデータを扱う映像編集や仮想マシンを複数動かす開発用途など、メモリ容量がボトルネックになりがちな作業でも快適にこなせます。
ストレージも同様に256GBから1TBなどに、カスタマイズすることが可能です。
動画データや、画像データなど大量のデータを保存する場合、ストレージの容量も増やすといいでしょう。
CPU周りのカスタム
ゲーミングモデルや、クリエイターモデルのノートパソコンなどで、GPUやCPUをカスタムすることも可能です。
CPUのカスタム
BTOノートパソコン注文時に、CPUのグレードを高いものに変更したり、低電力仕様のモデルに変更することも可能です。
また、Snapdragonを搭載したモデルであれば、CPUとメモリがセットになっている事が多いです。たとえば、メモリを32GBにしたい場合には、CPUのグレードを1つ上げるなどしないとメモリの増設が出来ないこともあります。
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その他の特殊カスタム
ここまでは、BTOノートパソコンで、よくあるカスタム箇所を紹介しました。
メーカーによっては、他にもカスタムが可能な箇所があります。
生体認証デバイス(指紋・顔認証)
セキュリティ強化のため、指紋センサーや赤外線カメラ(顔認証)を組み込むオプションです。
近年は標準搭載も増えましたが、BTOでは非搭載モデルにオプションで追加可能な場合があります。
たとえばVAIOの直販モデルでは購入時に指紋センサーを付けるか選択でき、選べばWindows Helloでの指紋ログインが利用可能になります。機密データを扱うビジネス用途やログインの利便性を高めたい場合に有効なカスタマイズです。
ボディ・筐体の特殊仕様
BTOノートパソコンとは言いづらいですが、一部モデルに通常とは違うボディが採用されているモデルもあります。
ノートパソコンのボディは、通常であればプラスチックやグレードが上がればアルミなどが採用されているモデルが主流です。
ハイエンドモデルでは、カーボン素材を採用しているモデルも存在します。
軽量カーボン素材
天板や筐体フレームに炭素繊維強化樹脂(カーボンファイバー)を採用したモデルを選ぶことで、強度を保ちながら大幅な軽量化が可能です。
たとえばVAIOのフルカーボンボディ採用モデルでは、従来のマグネシウム合金より約2.9倍の剛性を持つカーボン素材によって1kgを切る軽さと高い耐久性を両立しています。持ち運び重視のノートパソコンでは、このカスタマイズは非常に効果的です。
主要BTOメーカーの一覧 特徴・おすすめポイント
BTOが可能なノートパソコンを扱う主なメーカー(ショップ)と、それぞれの特徴や強み、おすすめのカスタム項目、価格帯の傾向、向いているユーザー層の紹介です。
マウスコンピューター (mouse)
mouseは、日本のパソコンメーカーで、BTOパソコンの先駆けとして知られています。購入時に用途に合わせて構成をカスタマイズできる点が大きな特徴。初心者から上級者まで幅広く支持される老舗BTOメーカーです。
個人向けからゲーミング、クリエイター向け、ビジネス向けまで、幅広いラインナップを展開しています。
一部モデルを紹介すると、日常使いからエンターテイメントまで、幅広い用途に対応できるスタンダードなmouse、高性能なCPUやGPUを搭載し、ゲーミングモデルのG Tuneがラインナップされています。
価格帯はエントリークラスの10万円前後から、高性能モデルでも20から30万円台があり、バランスの取れたカスタマイズが可能です。
初めてBTOノートを注文する方や、サポート重視で安心して使いたいユーザーに向いています。
Lenovo(レノボ)
Lenovoは世界的に有名なパソコンメーカーであり、幅広い製品ラインナップがあります。低価格帯からカーボン素材を使用したハイスペックモデルまであり、種類が豊富。特にコストパフォーマンスが高い事から世界中で人気なメーカーです。
Lenovoでラインナップされているシリーズを一部紹介します。
ビジネスシーンなどではThink Padシリーズ、スタンダードな立ち位置のIdeaPadシリーズなどが主なシリーズです。
価格帯は、主に5万円から40万円位で、BTOカスタマイズも可能なモデルも用意されています。
高性能な製品を比較的安い値段で販売されていて、セール時期にはかなりお得な価格で購入することができます。
ノートパソコンを初めて購入する方や、パソコンでいろいろな事をするプロ、コストパフォーマンスを重視する方など、幅広い価格帯で選べるため人気のメーカーです。
VAIO(バイオ)
VAIOは、かつてソニーのパソコンブランドでしたが、現在は独立した会社としてパソコンを製造・販売しています。
VAIOのノートパソコンの特徴は、洗練されたスタイリッシュなデザインが特徴です。薄型・軽量で持ち運びやすく、ビジネスシーンやプライベートシーンにもマッチするデザインが魅力です。
また、高性能なCPUを搭載したモデルもあり、負荷の高い作業も快適。高品質なことも有名で、日本で製造されており高い品質管理のもとで生産されています。堅牢性や耐久性にも優れており、長く安心して使用できます。
VAIOのノートパソコンは、デザイン性や性能、品質を重視する方、特にビジネスマンなどに人気があります。
価格帯は、10万円台から30万円台のモデルがあります。価格帯は高い傾向にありますが、その分高級感や、品質が高いノートパソコン。日本製で品質もこだわりたいという方におすすめのモデルです。
HP(ヒューレット・パッカード)
HPは、アメリカに本社を置く世界的なパソコンメーカーで、個人向けからビジネス向けまで幅広いノートパソコンを販売しています。
HPは、用途や価格帯に応じて多様なシリーズを展開しており、幅広い用途に対応できます。例えば、プレミアムシリーズで洗礼されたデザイン・高性能のSpectreや、スタンダードなモデルのPavilionなどがラインナップされています。
エントリーモデルから高性能モデルまで、幅広い性能の製品を販売していて、用途に合わせて最適な性能のモデルを選ぶ事もできます。
価格帯は、6万円から50万円台など幅広く用途に合わせたモデルが用意されています。
Dynabook(ダイナブック)
Dynabookは、もともと東芝のパソコンブランドでしたが、現在は独立した会社としてノートパソコンを販売しています。
Dynabookのノートパソコンは、ビジネスシーンや、学生などの利用を強く意識した製品設計が特徴です。堅牢性、セキュリティ機能、長時間駆動バッテリーなど、必要な機能を重視しています。
外出先での作業や、長時間利用を想定したモバイルワークに適したモデルが豊富で、キーボードの打ちやすさや、目に優しいディスプレイなど、操作性や快適性などを重視したモデルも用意されています。
価格帯は、比較的高めで、10万円から30万円くらいのモデルが用意されています。ハイスペックモデルは高くなりますが、修理を出さず簡単にバッテリー交換ができるモデルなども用意されています。
FMV(富士通)
FMVは、富士通クライアントコンピューティングが製造・販売しているノートパソコンのブランド名です。富士通は日本の大手総合エレクトロニクスメーカーであり、FMVは「Made in Japan」 にこだわった高品質なノートパソコンとして知られています。
FMVのノートパソコンは、主に日本国内で企画・開発、島根県で製造・組み立てされており、厳しい品質管理のもとで生産され、堅牢性や耐久性があり、長く安心して使える点が特徴です。
軽量なノートパソコンが多く、大学生や、持ち運びが多い方にピッタリなラインナップが多い事も特徴。例えば、カラーバリエーションがかわいいNote C、1kg以下の超軽量ノートパソコンNote Uなど、ラインナップにあります。
価格帯は、8万円から20万円くらいのモデルがラインナップ。「Made in Japan」にしては手を出しやすい値段設定で、初めてのノートパソコンでも安心できるでしょう。
日本人のライフスタイルにあった使いやすいパソコンであることを追求しているFMV。1台1台心が込められたパソコンで、使いやすさを求めるのであれば、おすすめのメーカーです。
どのメーカーがおすすめ?
この記事で紹介したメーカーは、全体的におすすめできます。たくさんありすぎて迷うかと思います。
そこで、用途によってどのメーカーを選べばいいのか僕なりに紹介させていただきます。
コストパフォーマンスを重視するならLenovo
ノートパソコンを選ぶ時に、コストパフォーマンスが高いかどうかは、かなり重要になります。
Lenovoで販売されているノートパソコンは、スペックと価格を比較すると、全体的にコストパフォーマンスが高いモデルが多いです。
また、販売されているノートパソコンのCPUやメモリなど、選べるスペックの幅が広い事も大きなメリットです。
高級感でノートパソコンを選びたい時はVAIO
見た目がゴージャスで、重要な製造工程を長野県にある工場で行っているVAIO。
他社メーカーと、スペックに対しての価格を比べると少し高い傾向がありますが、その分細かいところに配慮されたモデルが多く、ビジネスシーンでも使いやすくなっています。
軽量モデル・コストパフォーマンスで選ぶならFMV
「Made in Japan」にこだわった高品質なノートパソコンを販売しているFMV。
軽量なモデルが多いため、持ち運びが多い方が軽さを求めていてノートパソコンを探しているならおすすめ。
価格は、他メーカーと比べると安いというわけではありませんが、重さなどを考えるとコストパフォーマンスは、高いと言えます。
淡いカラーを採用したモデルもあるため、大学生などにもおすすめのメーカーです。
まとめ
注文時に仕様を自由にカスタマイズできるBTOノートパソコンについて紹介しました。
メモリやストレージ容量だけでなく、通常の市販モデルでは選べない特殊なカスタマイズ項目も用意されているメーカーも多く、必要な機能を追加できる事が最大のメリットです。
この記事で紹介した事を参考に好みのノートパソコンを探してみてください。
また、ノートパソコンか、デスクトップパソコンのどちらかで迷っている方は、こちらの記事もチェックすると何かヒントがあるかもしれません。
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