最近、ノートパソコン選びをしていると「Ryzen AI」という表記を見かけることが増えてきました。聞き慣れた「Ryzen」はAMD製のCPUシリーズとして有名ですが、「AI」って一体どういうこと?と感じる方も多いのではないでしょうか。
結論から言えばRyzen AIは、AI機能の活用を前提に設計された次世代型のRyzen CPUです。これからのノートパソコンに求められる、高い処理性能・省電力・AI処理対応といったポイントをしっかり押さえているのが大きな特徴。
「動画編集や画像生成アプリが重くてストレス」「AIアシスタントを活用したいけど動作がもっさり」そんな悩みも、Ryzen AIを選べばスッと解決するかもしれません。
なぜ今「Ryzen AI」なのか?AIを活かすには『専用の脳』が必要

AI時代のノートPCに求められるもの
生成AIの登場で、パソコンを取り巻く環境は大きく変わりました。これまでパソコンの処理は、CPUとGPUが処理の主役でしたが、今はもう一つ「NPU(Neural Processing Unit)」というAI専用の頭脳が注目されています。
Ryzen AIはこのNPUを内蔵しており、画像処理・文字生成・翻訳・ノイズ除去など、AIが関わる作業をCPUやGPUの負担を減らしながら効率的にこなしてくれます。
つまり、これからのノートパソコンでは、処理性能だけでなく「AI機能をうまく使えるかどうか」が重要なポイントになってくるということ。Ryzen AIはまさにその『未来基準』を満たすために生まれたCPUです。
【Ryzen AIの構成と見分け方】数字とアルファベットの意味を理解しよう(2025年最新版)

Ryzen AIは2025年に入り第3世代「Ryzen AI 300シリーズ」へと刷新され、新しいブランド表記が採用されました。これにより、どのグレードのCPUなのか、性能がどの程度なのかをモデル名からより明確に判断できるようになっています。たとえば次のような製品名が登場しています。
このモデル名は以下のように分解できます。
| 表記 | 意味 |
| AMD Ryzen AI | ブランド名(AI処理対応CPU) |
| 9 | ブランドレベル(Ryzen 5<7<9の順に上位) |
| HX | パフォーマンスグレード(現時点では「Ryzen AI 9 HX」のみ) |
| 370 | SKUナンバー(300番台=第3世代) |
Ryzen AI 300シリーズ(第3世代)の注目ポイント
2025年現在、AMDは「Ryzen AI 300シリーズ」として第3世代のAI対応CPUを展開しています。その中で正式に発表されているのは主にハイパフォーマンス向けの「HX」グレードです。
| モデル名 | コア構成 | GPU構成 | NPU性能(AI処理性能) |
| Ryzen AI 9 HX 370 | 12コア(4 ZEN5 + 8 ZEN SC) | Radeon 890M(16 CU) | 最大 50 TOPS |
| Ryzen AI 9 365 | 10コア(4 ZEN5 + 6 ZEN SC) | Radeon 880M(12 CU) | 最大 50 TOPS |
いずれもNPU(Neural Processing Unit)を搭載しており、最大50 TOPS(兆回/秒)のAI処理能力を備えています。これは、Copilotや画像生成ツール、ノイズ除去などのAI支援機能を快適に使うための“専用の頭脳”として非常に有効です。
型番の選び方と注意点
- 370、365といったSKU番号が300番台であれば第3世代
- 現時点(2025年4月時点)では「Ryzen AI 9 HXのみ」
- 「U」などの省電力モデルは、前世代(Ryzen 7040/8040など)で使用されていた命名
したがって、「Ryzen AI Uシリーズ」などが登場する可能性はあるものの、第3世代Ryzen AIではまだ未発表です。購入時には「型番と世代」「HXかどうか」などをしっかり確認しましょう。
このように、現在のRyzen AIは主にパフォーマンス志向や通常のモデルが中心となっており、高い処理性能とAI対応を両立したノートパソコンに搭載されています。今後、省電力モデルなどの登場にも期待が高まるところです。
Ryzen AIはコスパ重視の人にも最適な選択肢
Ryzen AIが注目される理由は性能の高さだけではありません。実はコストパフォーマンスの良さという点でも、かなり魅力的なCPUです。
Ryzenシリーズはもともと、Intel製のCPUに比べて同価格帯でより高性能なパーツが搭載されやすいという特徴がありました。その流れはRyzen AIにも引き継がれており、AI機能を搭載しながらも、比較的リーズナブルな価格帯で提供されているモデルが多くなっています。
たとえば…
- 10万円台前半でNPU搭載モデルが買える
- 同じ価格帯のCore Ultra搭載PCよりもGPU性能が高いケースもある
- 省電力設計のため、エントリーモデルでもしっかりバッテリーが持つ
これらのポイントを踏まえると、「長く使えて」「処理が快適で」「価格も抑えたい」と考えているユーザーにとって、Ryzen AI搭載のノートパソコンは「賢い買い物」になるはずです。
価格を抑えても妥協したくない、という方にはぜひ注目してほしいラインナップです。
Ryzen AI搭載ノートPCを一部紹介
HP:OmniBook X Flip 14-fk
Ryzen AI 300シリーズを搭載特徴
- AMD Ryzen AI 300シリーズ搭載
- タブレットのように使えるモードもあり
- 重量も軽く、持ち運びにおすすめ
| 価格 | 201,300円(税込)から |
|---|
- スペック詳細
CPU AMD Ryzen AI 5 340
AMD Ryzen AI 7 350OS Windows 11 Home 64bit GPU 【Ryzen AI 5】AMD Radeon 840M(CPU内蔵)
【Ryzen AI 7】AMD Radeon 860M(CPU内蔵)メモリー 【Ryzen AI 5】16GB
【Ryzen AI 7】32GBストレージ 【Ryzen AI 5】512GB
【Ryzen AI 7】1TBディスプレイ 14.0インチ・2.8K・OLED タッチディスプレイ (2880×1800 / 16:10 / 400nit / DCI-P3 100% / 48~120Hz / 最大10.7億色) バッテリー 最大14時間30分 重量 約1.41kg
HPの「OmniBook X Flip 14-fk
」は、AMDの新しいCPUのRyzen AI 300シリーズを搭載したCopilot+PCです。
最大の特徴はマルチタスクや生産性の向上、高速性と省電力性を備えた次世代のCPU・Ryzen AIの3世代にあたる300シリーズを搭載していること。AIの処理に特化したNPUを内蔵しているため、日常の作業や趣味などで効率的に行うことができます。
ディスプレイが360度回転するところも特徴。タッチディスプレイなこともあり、タブレットのように使えたり、動画視聴に最適なモードもあります。
CPUに内蔵されているGPUは、評判もよくちょっとしたゲームもプレイ可能なほど性能がよくなっています。動画編集などにも活躍でき、持ち運べる編集機材としてもおすすめです。
Lenovo:ThinkPad X13 Gen 6 (13.3型 AMD)
1kg以下の軽量ボディで持ち運びが多い人におすすめ特徴
- Ryzen AI PRO搭載の高性能モバイルノート
- 約968gの軽量設計と堅牢ボディ
- Wi-Fi 7 & Dolby Atmos対応で快適環境
| 価格 | 319,110円(税込)から |
|---|---|
| 現在セール中! | 169,884円(税込)から |
- スペック詳細
CPU AMD Ryzen AI 7 PRO 350 / Ryzen AI 5 PRO 340 OS Windows 11 Pro 64bit GPU AMD Radeon 860M / 840M グラフィックス(内蔵) メモリー 16GB / 32GB(オンボード・最大32GB) ストレージ 256GB / 512GB / 1TB SSD ディスプレイ 13.3型 WUXGA (1920×1200) IPS, ブルーライト軽減 インターフェース USB4×2, USB3.2×1, HDMI, 音声ジャック バッテリー 未公表 重量 約968g〜
Lenovoの「ThinkPad X13 Gen 6 (13.3型 AMD)」は、軽量かつ高い信頼性を備えたビジネスモバイルノートです。
Ryzen AI 7 PRO/5 PROプロセッサーを搭載し、AI支援による電力最適化や音声処理など、最新の作業環境を快適に支えます。
約968gの軽量ボディに加え、堅牢なThinkPad設計で持ち運びにも安心。Wi-Fi 7対応により通信も超高速で、家庭や外出先でも安定したネット環境を維持できます。
また、カスタマイズできる項目が多いことも特徴で、英語配列キーボードやディスプレイなど用途によって自分好みにすることも可能です。
Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10
Ryzen AI 300シリーズ搭載の14インチノートPC特徴
- タブレットにもなる2in1
- Ryzen AIで快適作業
- 初めてのAIPCにピッタリ
| 価格 | 114,840円(税込)から |
|---|
- スペック詳細
CPU AMD Ryzen AI 5 340 OS Windows 11 Home 64bit メモリー 16GB ストレージ 512GB ディスプレイ 14.0 型 WUXGA IPS 液晶 (1920×1200)、マルチタッチ対応、光沢あり バッテリー 動画再生時:約13.8 時間
アイドル時:約18.4 時間重量 約 1.60kg
Lenovoの「
Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10」は、1台で仕事もプライベートもこなせる柔軟なノートパソコンです。
Ryzen AI 5を搭載し、普段はノートパソコンとしてしっかり使えつつ、くるっと画面を回せばタブレットとしても活用できる2-in-1タイプ。仕事の合間の息抜きや、リビングで動画を楽しむときなど、シーンに合わせて形を変えられるのが魅力です。
AI機能もしっかり充実。Ryzen AIにより、マルチタスクもサクサクこなせる処理性能を実現しています。さらにCopilotキーが搭載されているので、操作に迷ったときはAIに頼ってその場で解決できるのも嬉しいポイント。日々の「ちょっと面倒」をサポートしてくれるAI体験が、あなたの作業効率を自然とアップさせてくれるはずです。
「AIって実際どうなんだろう?」と気になっている人にも、このモデルはちょうどいい導入機になるかもしれません。まずは使ってみる、そんなスタートにもぴったりの1台です。
Ryzen AIを搭載したノートパソコンをさらに紹介
この記事では代表的なRyzen AI搭載ノートPCをピックアップして紹介しましたが、「もっと多くのモデルを比較したい」「価格帯や用途別にじっくり選びたい」という方もいると思います。
そんな方に向けて、Ryzen AIを搭載したノートパソコンだけを集中的にまとめた記事も用意しています。
さらに厳選したモデルを、価格帯別・用途別に分けて比較しながら選べる構成なので、より自分に合った1台を探したいときに便利です。
詳しく知りたい方は、こちらもあわせてチェックしてみてください。
Ryzen AIを搭載したノートパソコンは、コスパがいいのにもかかわらずAI処理の速さ・省電力性・将来性の高さが魅力です。「次のノートパソコンはAI対応のモデルがいい」「種類が多すぎてどれがいいか迷う」と感じている人も多いはず。[…]
Ryzen AIノートPCを選ぶときに押さえておきたいポイント
「Ryzen AIなら何でもいい」というわけではありません。実際の使い心地を左右するチェック項目も押さえておきましょう。
- メモリ容量は16GB以上が安心(AIや動画処理は意外とメモリを使います)
- ストレージはSSD(NVMeならさらに速い)が快適さの鍵
- 冷却性能がしっかりしているか(長時間の作業に影響)
- 液晶の解像度や明るさ(クリエイター用途なら特に重要)
- AI支援アプリ(Copilotなど)との連携に対応しているか
スペックだけでなく、使うシーンと照らし合わせて選ぶことが、失敗しないパソコン選びのコツです。
よくある質問|Ryzen AIについての疑問を解決!
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まとめ|Ryzen AI搭載ノートPCで「未来に強い1台」を選ぼう
AI機能がパソコンの『当たり前』になりつつある中で、Ryzen AIはその波にしっかり対応できるCPUとして非常に注目されています。
もちろん、従来のRyzen同様、価格に対しての性能の高さ(コスパ)も健在。さらに、グラフィック性能やマルチタスクにも強いため、ビジネスから趣味まで、幅広く活躍してくれるのが魅力です。
これから数年使うことを見据えて、「なるべく長く快適に使えるノートパソコンが欲しい」という人にとって、Ryzen AI搭載モデルは間違いなく有力な選択肢になるでしょう。
また、Snapdragonを搭載したノートパソコンについてまとめた記事もチェックしてみてください。
これまでノートパソコンの主流といえばIntelやAMDでしたが、今あらためて注目を集めているのが「Snapdragon搭載AIノートパソコン」です。特に、省電力性・静音性・軽量さといった特長から、持ち運びを重視するユーザーから支持されていま[…]